ここに2つのガラス器があります

 

 

 

 

 

 

透明ガラス製、ビーカーなのか、花器なのか

すっきり安定感のある、シンプルなシルエット

でもそれぞれ胴体には白・黒で絵付けされています

 

 

これらはDaum Nancyのシノワズリ作品、ビーカー?花器?と思われます

(高さ約15㎝ 口径約15㎝)

ここではあえて「花器」ということにしておきましょう

縁あってここYUIにやってきてくれました

まだ確認中ということで商品とはしておりませんが個人的に興味深い作品です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この二つの花器、見比べてみると・・

ほぼ同じ形状、ほぼ同じ絵柄で、1つは金彩と白エナメルで絵付け、

もう片方は金彩と黒エナメルで絵付けされています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図柄はヨーロッパの陶磁器で人気のウィローパターンのようにも見えます

 

ウィローパターンは名前の通り、

柳文様をベースに古い中国の物語を表したと言われています

その物語というのは、

とても美しい娘を持ったある官吏がおり、その美しい娘は親が決めた婚約に逆らい、

自分が愛する身分の違う官吏の部下と恋仲になったものの、

周囲の大反対を受け、二人は逃げ、悲しい最期を迎えるという、

東洋版ロミオとジュリエットのようなお話

 

そしてその物語に出てくる情景、

逃げる若い男女、追う官吏、柳や館、橋、逃げるために使った小船、

そしてこの世で結ばれなかった二人が形になったとされる二羽の鳥など、

ウィローパターンにはこの悲恋な物語が描かれているとされています

 

ディズニーALADDINのアラジンとジャスミン、

ハリウッドTITANICのジャックとローズなどなど

結ばれる結ばれないなどの結末はいろいろありますが、

いつの時代も身分格差など許されぬ愛を貫くというお話はあるような気がしますね

 

(とはいうものの、実はウィローパターンはその物語をモチーフに作られたのではなく

販売戦略ために もともとあったウィローパターンのデザインに作られた物語のようです)

 

 

 

さて本題のこの二つの花器に話を戻すと、

男女もいますし、柳や館、複数の鳥もいます

小船など全ての図柄はないものの、

ウィローパターン、シノワズリらしいデザインです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒花器の胴体にはぽってりとしたエナメルの塗り方でいわゆる影のような表現をしており、

白花器の方は光が当たり、着物、顔、柳や館など白エナメルの上に

(繊細なタッチとは言い難いですが)とてもユニークに柄や表情が墨色で描かれています

そして、黒にのみサインありという違いや

細かく見ていくと図柄の違いが少しあったりもします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この双子のような二つの花器も対になっていて、

こうして並べ 見比べ それぞれの個性や違いを発見するのも

ひとつの楽しみ方ではないでしょうか

 

とても興味深くて面白い二つの花器、

まだまだ謎めきを楽しませてくれそうです

 

 

 

GALLERY YUI